スパコン「富岳」の威力!10日でコロナ治療薬候補を2000種類超を選別!

理化学研究所(理研)は、まだ、予備的な運用ながら計算速度等世界一位に輝いたスーパーコンピュータ「富岳」を活用し、僅か10日で2000種類超の薬剤の中から、数十種類の新型コロナウイルス治療薬の候補薬を選別したことを7月3日に明らかにしました。

 

スパコン「京」後継機、名称は「富岳」に決定 - ITmedia NEWS理化学研究所 科技ハブ産連本部医科学イノベーションハブ推進プログラム副プログラムディレクターであり、京都大学大学院医学研究科教授の奥野恭史氏は、富岳が「数千規模の化合物とタンパク質の作用(結合)過程を、分子動力学計算レベルで計算した事例は世界でもはじめてであり、学術的にインパクトがある」と語り、富岳がこれまでのスパコンとは一線を画し、驚異の計算能力で、例えばスパコン「京」では10年かかるところを僅か10日で評価を終了した富岳の驚異の威力に手応えを感じている模様です。

 

また、奥野教授は「今回の結合シミュレーションには約10日間を要したが、ソフトウェアのチューニングが富岳用にできていないかたちで実施したものである。チューニングができれば、将来的には2日程度で計算が完了すると考えている。1週間あれば、1万以上の薬剤が評価できるようになり、創薬の世界を大きく変えることができる」と語り、富岳がまだ、予備的な運用に過ぎないことを強調しました。

 

富岳は現在、新型コロナウイルスの治療薬候補の選別に注力していて、仮に富岳が既存の薬剤から新型コロナウイルスの治療薬を同定することになれば、世界初のこととなり、大いに期待したいところです。

 

また、富岳の分子シミュレーション(分子動力学計算)の結果、期待されていたアビガンなどは、新型コロナウイルスの標的タンパク質とは異なる事が判明したといいます。さらに、富岳は創薬にも驚異的な威力を発揮し、期待は募るばかりだともいいます。

 

コロナウイルスは風邪の一種のウイルスです。つまり、新型コロナウイルスはそのコロナウイルスの一種です。風邪に関して人類はこれまで、根本的な治療薬は見つけられませんでした。期待されるワクチンですが、果たしてコロナウイルスに有効なのかどうかも不明です。そんな中、富岳がコロナウイルスに対しての根治する治療薬を見つけるかもしれないのです。そんな期待を抱かせるほどに富岳の威力は凄まじいのです。